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キャッチコピーの悪い例に多い7つのパターン|直し方と書く前に決めること

公開日 2026年10月20日

キャッチコピー 悪い 例

「キャッチコピーがうまく書けないのは、言葉のセンスが足りないからだ」。名作と呼ばれる広告の一言を並べた記事を読むと、短く気の利いた言い回しを思いつけないのは自分の才能の問題だと感じて、手が止まってしまうことがあります。

しかし、字遊堂がこれまで多くの企業のSEO記事やプレスリリース、採用コンテンツの言葉を作ってきたなかで見えてきたのは、別の原因でした。悪いキャッチコピーの大半は、言い回しを考える前に「誰に、何を約束するか」を決めていないことから生まれています。

本記事では、悪い例に多い7つのパターンから、悪いコピーが生まれる原因、直し方の手順、悪い例に見えても通用するコピーまで、企業の言葉づくりに携わる現場の視点で順を追ってお伝えします。

キャッチコピーの悪い例に多い7つのパターン

キャッチコピーの悪い例は、主に7つのパターンに分けられます。どのパターンにも、読み手が「自分に関係がある話だ」と感じる前に読むのをやめてしまうという共通点があります。

各パターンには、悪い例と直した例を並べました。直した例は、場面を仮に置いて書いた一例です。

誰に向けたか分からないパターン

誰に向けたか分からないキャッチコピーは、読む人の誰もが「自分のことではない」と感じて通り過ぎてしまいます。「すべての方へ」「みなさまの」と宛先を広げるほど、一人ひとりにとっては他人事の言葉になるからです。

整体院のチラシであれば、腰痛にも肩こりにも呼びかけるより、症状と困る場面を一つに決めたほうが、当てはまる人は足を止めるでしょう。

悪い例 直した例
体の不調にお悩みのすべての方へ 朝、靴下をはくときに腰が痛む方へ

商品の特徴を並べるだけのパターン

特徴を並べるだけのキャッチコピーには、書き手が伝えたいことは書いてあっても、読み手が得るものが書かれていません。素材や機能は判断の材料にすぎず、使った後に何が変わるのかまで書いて、読み手はようやく自分ごととして読み始めます。

学習塾が「少人数制・個別指導・自習室完備」と並べても、保護者は近所の塾との違いを読み取れないのです。少人数であることで子どもに何が起きるのかを書くと、比べる理由が生まれます。

悪い例 直した例
少人数制・個別指導・自習室完備 わからないまま帰る日をつくらない、1クラス6人の授業

どの会社にも言えるパターン

どの会社にも言えるキャッチコピーは、社名を競合に入れ替えても通じてしまうため、読み手の記憶に残りにくくなります。「安心と信頼」「お客様第一」「確かな技術」は、反対する人がいない一方で、選ぶ理由にもならない言葉です。

見分けるには、コピーの横に競合の社名を置いて読んでみてください。違和感なく読めてしまうなら、自社にしかない事実が入っていない可能性が高いと判断できます。

悪い例 直した例
確かな技術で、安心の住まいづくり 着工から引き渡しまで、同じ大工が一棟を担当します

言葉遊びで中身がないパターン

言葉遊びで中身がないキャッチコピーは、語呂やリズムが整っていても、何の商品で何が得られるのかが伝わりません。書き手は気の利いた一言ができた手応えを得やすく、伝わっていないことに気づきにくいパターンです。

パン屋が「パンっと元気な一日を」と書いても、どんなパンをいつ買えるのかは読み手に届かないでしょう。焼き上がりの時刻や看板の商品を入れるだけで、立ち寄る理由になります。

悪い例 直した例
パンっと元気な一日を 朝6時に焼き上がる食パンを、7時の開店から並べています

大げさな表現で信用を失うパターン

大げさなキャッチコピーは、一瞬は目を引いても、根拠の無さが見えた時点で信用を落とします。「業界ナンバーワン」「誰でも必ず」「たった1日で」といった言葉に裏付けが添えられていないと、読み手は残りの文章まで疑いながら読むようになるのです。

根拠のない順位の表示や効果の誇張は、景品表示法が禁じる優良誤認表示(実際より、または競合より著しく良いものだと見せる表示)にあたるおそれもあります。順位を名乗るなら、比較対象や調査対象者を適切に選び、公平な方法で行った調査の裏付けが要ります。調査の条件も、コピーと同じ画面に読める大きさで添えましょう。

悪い例 直した例
誰でも必ず話せるようになる英会話 中学英語の復習から始めて、旅先での注文を英語で言えるまで

一つのコピーに詰め込むパターン

詰め込みすぎたキャッチコピーは、どの強みも伝えたい気持ちが見える反面、読み手が一つも覚えられません。強みを3つも4つも並べると、読み手がどれを覚えればよいか決められないためです。

削った強みは、本文や次の見出しで伝えれば足ります。キャッチコピーには、読み手が最初に知りたいことを一つだけ残しましょう。

悪い例 直した例
低価格・スピード対応・丁寧な仕上げ・保証も充実 依頼の翌日には、作業できる日をお知らせします

専門用語で伝わらないパターン

専門用語やカタカナ語に頼ったキャッチコピーは、書き手の業界では当たり前の言葉でも、読み手には意味が届きません。社内で毎日使っている言葉ほど、外の人が知らないことに気づきにくくなります。

税理士事務所が「クラウド会計で経理のDXを推進」と書いても、帳簿づけに追われる個人事業主には、何が楽になるのかが見えないはずです。読み手が普段使う言葉で、作業がどう変わるかを書くと伝わります。

悪い例 直した例
クラウド会計で経理のDXを推進 レシートを撮るだけで、帳簿づけが終わる月末に

悪いキャッチコピーを生む2つの原因

悪いキャッチコピーを生む原因は、言い回しの腕前ではなく、書き始める前の2つの決め忘れにあります。誰に向けるかを決めていないことと、何を約束するかを決めていないことです。

7つのパターンを2つの原因に振り分けると、言い回しを直しても同じ失敗が繰り返される理由が見えてきます。

原因 生まれやすいパターン
誰に向けるかの決め忘れ 誰に向けたか分からない/どの会社にも言える/専門用語で伝わらない
何を約束するかの決め忘れ 特徴を並べるだけ/言葉遊びで中身がない/大げさな表現で信用を失う/一つのコピーに詰め込む

大げさな表現は、約束が決まっていても、約束を裏付ける事実が無いときにも起きます。

誰に向けるかの決め忘れ

誰に向けるかを決めないまま書くと、言葉を選ぶときの基準が無くなります。読み手の顔が浮かばないので、誰に言っても失礼にならない言葉を選び、結果として「安心」「信頼」のようなどの会社にも言える言葉が残るのです。

読み手の知識の量も、宛先が決まって初めて分かります。専門用語だらけのコピーは、書き手が自分と同じ知識を持つ人に話しかけてしまった結果だと見ています。

何を約束するかの決め忘れ

何を約束するかを決めないまま書くと、コピーに入れる中身が定まらず、空いた場所を別のもので埋めることになります。ここでいう約束は、読み手がコピーを読んで「これを選べば〜になる」と期待できる変化のことです。

約束が空欄のとき、書き手は特徴を並べるか、強みを全部入れるか、言葉の響きや大げさな言い回しで埋めようとします。特徴の羅列も詰め込みも言葉遊びも誇張も、見た目は違いますが出どころは一つです。

言葉を作ってきた立場から本音を言えば、2つの決め忘れを残したまま言い回しの案を何十と出しても、同じパターンの案が増えやすくなります。言い回しを磨く前に、誰に何を約束するかを1行で書けるかどうかが、悪い例を抜け出す分かれ目になります。

悪い例を良いコピーに直す4つの手順

悪い例を良いコピーに直す手順は、読み手の絞り込み、約束の一本化、裏付ける事実の追加、音読での削り込みの4つです。読み手と約束を決める前に事実を集めても、どの事実で裏付ければよいかを選ぶ基準がありません。

読み手の絞り込み

読み手の絞り込みでは、年齢や性別より先に、商品が必要になる場面で読み手を決めます。「30代女性」と決めても、何に困っているのかまでは分からないためです。

パン屋であれば「出勤前に朝食を買う人」と「週末に家族の分をまとめて買う人」とでは、知りたいことが違います。出勤前の人には開店時刻と待たずに買えることを、週末の人には品数や取り置きの有無を伝えるべきでしょう。

読み手を一人に絞ると、残りの人を捨てるように感じるかもしれません。ただ、場面が具体的なコピーは、条件が少し違う人にも読まれます。読む人が自分との差を測りながら、当てはまるかを判断できるためです。

約束の一本化

約束の一本化では、「このコピーを読んだ人は、〜できる」という文の空欄を、一つの言葉で埋めます。候補が複数出たときは、会社が最も自慢したい強みより、読み手が最初に知りたいことを選びます。

学習塾なら、保護者が最初に知りたいのは設備より、子どもが授業についていけるかどうかでしょう。空欄を埋めた文は、そのままコピーにならなくても、言い回しで迷ったときの基準になります。

裏付ける事実の追加

裏付ける事実の追加では、約束が本当だと読み手が信じられる材料を、数字や時刻、手順の形でコピーに入れます。「丁寧な仕上げ」より「作業後に、依頼者と一緒に仕上がりを確かめます」のほうが、丁寧さを読み手が自分で判断できます。

とりわけ見落とされがちなのが、裏付けに使える事実の多くは、社内では当たり前すぎて誰も強みだと思っていないという点です。予約の電話を必ず院長が受ける、決算前の面談を年に3回設けている、といった事実は、社外の人に聞かれて初めて言葉になります。

音読での削り込み

音読での削り込みでは、書いたコピーを声に出して読み、意味が変わらない言葉を削ります。読みにくい箇所は、たいてい言葉が多すぎるか、助詞のつながりがねじれているかのどちらかです。

削り終えたら、次の4つの項目で悪い例に戻っていないかを確かめましょう。

  • 競合の社名に入れ替えても通じてしまわないか
  • 読み手が普段使う言葉だけで書けているか
  • 約束が一つに絞られているか
  • 順位や数字に、示せる根拠があるか

悪い例に見えても通用するコピー

抽象的で中身が無いように見えるキャッチコピーでも、商品や会社がすでに広く知られている場合は通用します。読み手が商品の中身を知っているので、コピーは気分や価値観を一言で伝えれば足りるからです。

名作として紹介されるコピーには、広告を重ねて商品名が知られた企業のものが多く含まれます。知名度の低い会社が名作の書き方をまねると、言葉遊びやどの会社にも言えるパターンに近づきます。

比べる点 すでに知られている商品 初めて知られる商品
コピーの役割 好きになってもらう 何の商品か分かってもらう
入れる中身 気分や価値観 読み手と約束、裏付けの事実
悪い例になる条件 商品名を隠すと何の広告か分からなくなること 抽象的な言葉だけで書くこと

知られる前の段階でも、イメージを伝える一言をまったく使えないわけではありません。ブランドを表す一言を置くなら、すぐ下に何の会社で何が得られるかを書いた一文を添えると、2つの役割を分けて担えます。

よくある質問

キャッチコピーは短いほどいい?

キャッチコピーは、短いほどいいとは限りません。必要な長さは、読まれる場所と、読み手がどれだけ時間をかけて読むかで変わります。

看板や駅のポスターのように通りすがりに目に入る媒体では、一息で読み切れる長さに収める必要があります。一方、LP(ここでは、商品の申し込みを受けるための縦長のWebページ)の冒頭のように読み手が自分から開いたページでは、2行ほど使って場面や数字を入れたほうが、自分に関係があるかを判断してもらいやすくなるでしょう。

誰に確認してもらえばいい?

キャッチコピーの確認は、商品をよく知らない人に頼むのが向いています。商品を知り尽くした人は、コピーに書かれていない情報を頭の中で補って読んでしまい、伝わらない箇所に気づけないためです。

確認してもらうときは「良いか悪いか」を聞かず、「何の会社で、何をしてくれると思ったか」を言葉で答えてもらいます。答えが書き手の約束とずれていれば、ずれた箇所が直す場所です。

AIに作らせたコピーは悪い例になりやすい?

AIに作らせたキャッチコピーは、「〇〇のキャッチコピーを考えて」とだけ指示すると、どの会社にも言えるパターンに寄りやすくなります。AIは多くの文章に共通する言い回しを組み合わせて案を出すため、自社にしかない事実を渡さなければ、ありきたりな言葉が並ぶのです。

指示に読み手の場面と約束、裏付けになる事実を書き込むと、競合の社名に入れ替えると通じなくなる案が出やすくなります。AIの案は候補を広げる用途に使い、最後は声に出して読み、競合の社名に入れ替えても通じないかを確かめてから使いましょう。

まとめ|書く前に決める読み手と約束

キャッチコピーの悪い例は7つのパターンに分かれますが、出どころは誰に何を約束するかの決め忘れにあります。言い回しの案を増やす前に、読み手の場面と約束を1行で書き、社内で当たり前になっている事実で裏付ければ、悪い例に戻る理由の多くを、書く前に潰せます。

字遊堂はこれまで、取材をもとにした記事やプレスリリース、採用コンテンツなどで、企業が自分では強みと気づいていない事実を言葉にしてきました。

  • 取材をもとにしたSEO記事やインタビュー記事
  • 新しい商品やサービスを知らせるプレスリリース
  • 採用コンテンツや社史

競合の社名に入れ替えても通じてしまうコピーから抜け出せないときは、一行の材料になる事実の掘り起こしから、字遊堂に任せてみてください。

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