
私は、希望してライターになったわけでも、独立したわけでもありませんでした。
2021年3月8日、突然会社に行けなくなり、不安障害と診断されました。外出すらできず、ただ家族を守るために、必死でパソコンに向かったのが、専業ライターとしての第一歩です。
あの時、書くという手段を副業として持っていたからこそ、路頭に迷うことなく進むことができました。
私は、「原点を言葉として残して後世に勇気を与える」ことを信念に仕事をしています。この数年、多くの方に支えられながら、自分の病気とも向き合い、父としても事業者としても歩んできました。
私は5歳の頃に父を病気で亡くし、母子家庭で育ってきました。非正規雇用だった母の経済的な問題から、塾や習い事にはほぼ通わず、勉強もしなかったので落ちこぼれになっていきました。
転機になったのはあしなが育英会のサマーキャンプ「つどい」で耳にした『ヨイトマケの唄』でした。弱冠16歳ではありましたが、まるで自分の人生を歌われているような気持になったことを、今でも覚えています。そして、歌詞に登場する人物が実在の人であることを知り、言葉の力を思い知ったのでした。
独立準備中に亡くなった父のように、誰の記録・記憶にも残らない人を作らないこと。物書きを初めて3年ほど経った私がたどり着いた「物書きを続ける意味」でした。このミッションの背景には、死別体験と『ヨイトマケの唄』との出会いが密接にかかわっているのです。
法人化というひとつの区切りから気を抜いてしまったこともありましたが、新たなビジョンを胸に、物書きとしても後進育成を進める立場としても善処する所存です。今後は1年社史という新たなサービスを展開し、より原点や言葉を後世に残すお手伝いをしていきます。
弊社を頼りにしていただいている皆様とのご縁に心から感謝を込めて、ご挨拶とさせていただきます。