公開日 2026年09月26日
「AIが答えを出してくれるなら、SEOはもうオワコンになりそう」。検索結果の上にAIの要約が表示されるようになり、自分自身もリンクを押さずに調べものを終える場面が増えたため、そう感じるのは自然なことです。
しかし、企業のSEO記事や取材記事を数多く手がけてきた字遊堂の立場から言えるのは、終わったのはSEOそのものではなく、順位だけを追いかける書き方だということです。AIの回答も検索で見つかるページを材料に作られており、一次情報を含む記事は要約されても読者から選ばれる理由を失いません。
本記事では、SEOがオワコンと言われる理由から、終わった手法と今も成果が出る記事の条件、SEOに投資すべきかの判断基準まで、記事制作の現場の視点で順を追ってお伝えします。
SEOがオワコンと言われる理由は4つある
「SEOはオワコン」という声は、今に始まったものではありません。外部サイトからのリンク(被リンク)を買う手法が通じなくなったときや、スマートフォンの普及で検索の仕方が変わったときにも、同じ言葉が繰り返されてきました。今回の声がとりわけ大きいのは、複数の変化が同時に起きているからでしょう。主な理由は次の4つに整理できます。
| よく言われる理由 | 実際に起きている変化 |
|---|---|
| AIが検索結果の上で答えを返す | 単純な疑問はクリックされにくくなった |
| SNSや動画で調べる人が増えた | 調べものの入口が検索だけではなくなった |
| 昔の手法が通用しない | 読者本位の内容を見分ける精度が上がった |
| 成果が出るまでに時間がかかる | 短期の成果を求める施策と相性が悪い |
どれも事実ですが、いずれも「SEOが不要になった」ことを意味するものではありません。
AIが検索結果の上で答えを返すようになった
Googleの「AIによる概要」や、2025年から日本語でも使えるようになった「AIモード」、ChatGPTの検索機能が広がり、言葉の意味や簡単な手順のような疑問は、検索結果のページだけで解決する場面が増えました。リンクを押さずに検索を終える行動はゼロクリック検索と呼ばれ、定義を説明するだけの記事は流入が減りやすくなっています。定義を説明する記事で流入が落ちているなら、この変化が一因と考えてよいでしょう。
SNSや動画で調べる人が増えた
飲食店はInstagramで、商品の使い方はYouTubeで、評判はXで探すという行動は、もう珍しくありません。若い世代では、検索エンジンより先にSNSを開く人も目立ちます。検索が情報収集の唯一の入口ではなくなったことは、確かにSEOの位置づけを変えました。
アルゴリズムの変化で昔の手法が通用しなくなった
キーワードを本文に詰め込む、中身の薄い記事を大量に公開する、外部からリンクを買い集める。こうした手法は、かつて順位を押し上げる手段として使われていました。検索順位を決める仕組みであるアルゴリズムが更新を重ねるごとに評価されなくなり、今では順位を落とす原因にもなります。昔の成功体験を持つ人ほど「SEOは効かなくなった」と感じやすいのです。
成果が出るまでに時間がかかり効果が見えにくい
SEOは記事を公開してから検索結果で評価されるまでに、一般に数か月単位の時間がかかります。競合の強さやサイトの運営歴によって期間が大きく変わるため、いつ成果が出るかを事前に約束しにくい施策です。広告のように予算を入れた翌日から数字が動くわけではないので、途中で手を止めてしまい「意味がなかった」と結論づけるケースが出てきます。
SEOはオワコンではなく見分ける精度が上がっただけだ
ここで視点を反転させましょう。4つの理由はいずれも「検索の使われ方が変わった」話であり、「検索が使われなくなった」話ではありません。
SEOが終わったのではなく、読者の役に立たない記事が見抜かれやすくなったのです。
比較や申し込みの直前には今も検索が使われる
SNSで商品や会社を知った人も、問い合わせや購入の前には社名やサービス名で検索し、公式サイトや比較記事を確かめます。法人向けのサービスや高額な商品では、この確認の工程を省く人はほとんどいないでしょう。入口が多様になったぶん、検索は「最後に裏を取る場所」としての役割が強まったと見ています。
| 検索が使われやすい場面 | 検索される言葉の例 |
|---|---|
| 公式の情報を確かめる | 社名、サービス名 |
| 複数の選択肢を比べる | サービス名と比較、費用、評判 |
| 近くの店や事業者を探す | 地域名と業種 |
| 専門的な判断や手順を知る | 具体的な悩みを表す複数の語 |
AIの回答も検索で見つかるページを材料にしている
AIによる概要は、Web上のページをもとに要約を作り、根拠となるページへのリンクを添えて表示します。Google検索セントラルのAI機能とウェブサイトでも、AIによる概要やAIモードに表示されるための追加の要件はなく、特別な最適化も必要ないと説明されています。つまり、検索エンジンのデータベース(インデックス)に登録されていないページは、AIの回答のリンクにも表示されないのです。
評価の基準は一貫して読者の役に立つかにある
Googleが繰り返し示してきた方針は、検索した人の役に立つ内容を評価するという一点です。品質を見極める目安として、経験・専門性・権威性・信頼性という4つの観点も示されています。これらは単独で順位を決める指標ではありませんが、平たく言えば「誰が、どんな経験をもとに書いたのか」が分かる記事ほど信頼されやすいということです。方針そのものは変わらず、変わったのは役に立たない記事を見分ける精度だと見ています。
SEOで終わったのは順位だけを追う旧来の手法だ
裏を返せば、オワコンと呼ばれても仕方のない手法は確かに存在します。記事制作の現場で今も見かけるものを、現在評価される考え方と並べると次のようになります。
| 通用しなくなった手法 | 今評価される考え方 |
|---|---|
| キーワードを本文に詰め込む | 検索した人の疑問に順番に答える |
| 薄い記事を大量に公開する | 1本ごとに独自の情報を入れる |
| 外部リンクを買い集める | 紹介したくなる情報を載せ、自然にリンクされる |
| 公開した記事を放置する | 情報が古くなる前に更新する |
| 順位だけを成果として追う | 問い合わせや申し込みまでの流れで成果を見る |
左の列に共通するのは、読む人ではなく検索エンジンの仕組みに向けて書かれている点です。検索エンジンが読者の満足度を見分けられるようになった以上、仕組みの隙を突く手法から効かなくなるのは当然の流れでしょう。なお、薄い記事の量産は、AIで作ったか人が書いたかを問わず、Googleのスパムに関するポリシーの対象になります。「SEO対策は意味がない」という声の多くは、実はこの左の列の手法を指していると感じています。
AIに要約されても選ばれる記事は一次情報の有無で決まる
では、AIが答えを返す時代に、どんな記事なら読まれ続けるのか。
ここが本記事のいちばんの要点です。
記事を作ってきた立場から本音を言えば、AIに要約されて困るのは、どのサイトにも書いてある一般論だけでできた記事です。「〜とは」「〜のメリット」を上位ページから寄せ集めた内容なら、AIが数秒でまとめ直せます。要約で十分なら、読者がわざわざ元の記事を開く理由はありません。
反対に、要約だけでは足りない記事の多くには、一次情報が含まれています。一次情報とは、書き手や企業が自分で見聞きし、判断し、経験した情報のことです。記事に落とし込むと、たとえば次のような形になります。
| 一次情報の種類 | 記事での書き方の例 |
|---|---|
| 判断の理由 | その方法を選んだ理由と、選ばなかった選択肢を書く |
| つまずきの経緯 | 導入や制作の途中で困った点と、立て直した方法を書く |
| 現場の手順 | 実際に使っている手順や確認の項目を書く |
| 顧客の声 | 繰り返し受ける質問と、それへの答え方を書く |
とりわけ見落とされがちなのが、一次情報の多くは社内の人の頭の中にあり、まだ文章になっていないという点です。担当者本人は日々当たり前にこなしている判断なので、書く価値があるとは考えていない場合がほとんどでしょう。取材で質問を重ね、判断の理由や迷った場面を言葉にしてもらうと、他社には書けない記事の材料が集まります。
AIが要約できないのは、まだWeb上に書かれていない情報です。 そうした情報を載せた記事は、AIの回答に引用される候補になるうえ、要約を読んだ人が詳しく知るために開く先にもなります。Googleの生成AI機能向けに最適化するためのガイドにも、体験談は独自の視点をもたらす一方、既存コンテンツの要約は他で手に入る情報の言い換えにすぎないことが明記されています。上位記事では一次情報が施策のひとつとして並ぶことが多いものの、SEOの成否を分ける要素として扱う記事は多くありません。SEOがオワコンかどうかは、この一次情報を書けるかどうかで分かれると見ています。
今も成果が出るSEO記事は4つの条件を満たしている
ここまでの整理を、記事づくりの具体的な条件に落とし込みます。一次情報を土台にしたうえで次の4つがそろっている記事は、検索でもAIの回答でも読者に選ばれやすいはずです。
検索した人の疑問に答える順番で構成されている
検索窓に言葉を打ち込んだ人は、たいてい複数の疑問を抱えています。たとえば「SEO オワコン」と検索する人なら、本当に終わったのか、何が変わったのか、自社は続けるべきか、という順で答えを探しているはずです。書き手が伝えたい順ではなく読者が次に知りたくなる順に見出しを並べると、途中で離脱されにくくなります。疑問ごとに似たページを作り分けるのではなく、1本の記事の中で順に答えましょう。
書き手や企業の経験が具体的に書かれている
同じテーマでも、「一般的には〜と言われます」で終わる記事と、「私たちの現場では〜の場面でこう判断しています」まで書く記事では、読者が得られる情報の量が違います。後者は内容が書き手の経験に裏づけられているため、信頼されやすいのです。監修者や取材先の名前、所属を明記することも、誰の経験なのかを示す手がかりになります。
公開後も情報が更新されている
SEOの記事は公開した時点で完成ではありません。料金や制度、ツールの仕様などを扱う記事では、古い情報が残ったままだと読者の信頼を落とします。更新の際は、次の点を定期的に確かめましょう。
- 料金や制度など、変わりうる情報が最新になっているか
- 順位が落ちた記事に、上位ページにあって自社にない論点が生まれていないか
- 問い合わせの内容から、記事に足すべき質問が増えていないか
検索以外の接点でも記事が使われている
SNSで記事を紹介する、営業資料に引用する、メールマガジンで届けるといった使い方をすると、1本の記事が検索以外の入口からも読まれます。社名で検索されたときに会社の考え方や実績を伝える記事がそろっていれば、SNSで興味を持った人の確認先にもなるでしょう。SEOを単独の施策ではなく情報発信全体の受け皿として位置づければ、1本の記事にかけた取材や執筆の手間を、営業資料やSNSの投稿にも生かせます。
SEOに投資すべきかは商材と売り方で判断が分かれる
SEOは終わっていないとはいえ、どの会社にとっても最優先の施策とは限りません。向き不向きは、扱う商材と、顧客が購入を決めるまでの行動で分かれます。
| SEOを優先しやすい会社 | 別の施策を先に検討したい会社 |
|---|---|
| 法人向けや高額な商材を扱い、検討期間が長い | 数か月以内に売上を立てる必要がある |
| 顧客が困りごとを言葉で検索する業種である | 検索される言葉がほとんどない新しい商材を扱う |
| 広告費に頼らない集客の柱を育てたい | 購入の判断がSNSや口コミで完結しやすい |
| 社内に専門知識や現場の経験がある | 記事の材料となる情報を社内から出せない |
右の列に当てはまるからといって、SEOが無駄とは限りません。ただ、成果までの時間を待てない状況なら、広告やSNSで先に売上をつくり、並行して少数の記事を育てる順序もあります。右の列の最後の項目は、取材で社内の情報を引き出すことで解消できる場合があるはずです。
SEOのオワコン説についてよく寄せられる質問に答える
これからSEOを始めても遅いですか?
遅くありません。検索される言葉と、それに答えられる自社の経験があれば、後発でも評価される余地は残っています。ただし競合の多い大きな言葉からではなく、具体的な悩みを表す言葉から始めると成果につながりやすいでしょう。
AIで書いた記事は検索で評価されませんか?
AIを使ったこと自体で評価が下がるわけではありません。Googleは、作り方ではなく内容の質で評価するという立場を示しています。問題になるのは、一般論をAIで量産し、事実の確認や一次情報の追加をしないまま公開することです。
SEOと広告はどちらを優先すべきですか?
目的によって答えが変わります。すぐに問い合わせを増やしたいなら広告、広告費をかけ続けずに集客できる状態をつくりたいならSEOが向いているでしょう。両者を併用し、広告で反応の良かった言葉を記事のテーマに選ぶ方法も有効です。
成果が出るまでにどれくらいかかりますか?
条件によって大きく変わります。業界では半年から1年ほどを目安にすることが多いものの、競合の強さやサイトの運営期間、記事の本数や内容で期間は前後し、Googleが期間を示しているわけでもありません。途中で判断する際は、順位や記事経由の問い合わせに加え、Googleの無料の分析ツールであるSearch Consoleの生成AIパフォーマンスレポートで、AIの回答にどれだけ表示されているかも確かめましょう。
まとめ|終わったのはSEOではなく順位だけを追う書き方だ
SEOがオワコンと言われる背景には、AIによる回答の広がり、SNSでの情報収集、アルゴリズムの変化、成果までの時間の長さがあります。いずれも検索の使われ方が変わったことを示すもので、検索そのものが不要になったわけではありません。
- 通用しなくなったのは、検索エンジンの仕組みに向けて書く旧来の手法です
- AIの回答も検索で見つかるページを材料にしており、検索で評価される記事の価値は残っています
- 要約で済まない一次情報を載せた記事が、今も読者に選ばれます
字遊堂はこれまで、企業の担当者への取材をもとに多くのSEO記事を手がけてきました。その経験から言えるのは、SEOがオワコンかどうかは、自社にしか書けない情報を記事にできるかで決まるということです。
社内の一次情報を記事にするなら字遊堂に相談する
一次情報が大切だとわかっていても、担当者の頭の中にある判断や経験を自分たちで文章に起こすのは簡単ではありません。通常業務の合間に執筆の時間を確保しにくいうえ、本人にとって当たり前のことほど、書くべき情報だと気づきにくいからです。
| 字遊堂が手がける制作物 | 取材で集めた情報の活かし方 |
|---|---|
| SEO記事 | 担当者の判断や経験を、検索する人の疑問に沿って記事にする |
| プレスリリース | 開発や導入の背景を、報道関係者に伝わる形に整理する |
| 採用コンテンツ | 社員の働き方や仕事の実感を、求職者が知りたい順に伝える |
| 電子書籍 | 複数の記事や取材の内容を、1冊の読み物にまとめる |
字遊堂は、担当者への取材で判断の理由や現場の工夫を引き出し、検索する人の疑問に答える順番でSEO記事に仕立てます。一度の取材で集めた内容を、記事だけでなくプレスリリースや採用コンテンツにも展開できるのが特徴です。上位ページの寄せ集めでは差がつかないと感じている方は、社内に眠っている判断や経験を記事にするところから、字遊堂と一緒に始めてみませんか。

