公開日 2026年07月23日
順位は落ちていないのに、記事からの流入だけが静かに減っています。オウンドメディアを数年運用してきた企業ほど、この報告が現場から上がってきているのではないでしょうか。
SEO分析ツールを提供するAhrefsが2025年12月のデータをもとに30万件のキーワードを分析したところ、AIによる概要が表示されるキーワードでは、検索1位ページのクリック率がグローバルで約58%、日本市場でも約37.8%低下していました(Ahrefs調査プレスリリース)。クリック率には年々自然に低下する傾向がありますが、その自然減を差し引いたうえでの数字です。
情報収集型のクエリでは、順位を守ってもクリックまでは守れません。
ここで効いてくるのが既存記事のリライトです。ただし狙いは、順位の押し上げではありません。AIが回答を組み立てる過程で、自社記事の一節が素材として選ばれる状態をつくることが目的になります。同じ「リライト」という言葉を使っていても、対象記事の選び方から手を入れる箇所、成果の測り方まで、従来の作法とは別物になりました。
AIOで変わったのは順位ではなく選ばれ方
AIO(AI Optimization)は、Googleの「AIによる概要」やAI Mode、ChatGPTやPerplexityといった生成AIの回答に、自社の情報が引用・参照される状態をつくる取り組みを指します。従来のSEOが検索結果での表示位置を争う競技だったとすれば、AIOは回答文そのものへの参加権を争う競技といえます。検索順位の競争と、回答文への採用の競争が並走する状態になった、と捉えるとわかりやすいでしょう。
1位でもクリックされない構造が生まれた
前述のAhrefsの発表によれば、AIによる概要がなかった場合の1位の予測クリック率は3.7%で、実測値は1.6%まで下がっていました。自然減を補正しない単純比較では、7.3%から1.6%への低下として報じられています。
ここで注意したいのは、下げ幅がクエリの性質によって大きく振れる点です。Ahrefsの集計によるインテント別の表示率は、次のように分かれていました。
| クエリのインテント | AIによる概要の表示率 |
|---|---|
| 情報収集型 | 21.4% |
| 商用型 | 4.3% |
| 取引型 | 2.1% |
| 案内型 | 0.9% |
答えが定型化しやすい調べ物のクエリほど、検索結果上で完結してしまうわけです。自社の記事がどちらに寄っているかで、受ける影響はまったく変わります。
| 影響を受けやすい記事 | クリックが残りやすい記事 |
|---|---|
| 用語解説・定義 | 費用相場の比較 |
| 手順解説 | 導入判断の分かれ目 |
| 一般的な基礎知識 | 失敗事例と原因の分析 |
読み手が自分の状況に当てはめて考える必要のある記事ほど、要約だけでは満たされません。つまり被害は全記事に均等ではなく、記事ごとの偏りとして現れます。この偏りを把握しないまま「AIのせいで流入が減った」と全体を嘆くところで止まってしまうと、打ち手が見つからないまま四半期が過ぎていきます。
引用元が検索順位から離れはじめている
リライトの前提を大きく変えた変化が、もうひとつあります。AIによる概要の引用元が、検索上位からの独立性を強めていることです。Ahrefsが実施した2つの調査を並べてみましょう。
| 引用元のオーガニック順位 | 2025年の調査(190万件) | 2026年2月の調査(400万URL) |
|---|---|---|
| トップ10 | 76.10% | 38% |
| 11位から100位 | 9.50% | 31.2% |
| 圏外・非ランクイン | 14.40% | 31% |
2025年の調査では引用ページのオーガニック順位の中央値が2位で、基礎SEOで上位を取ることが引用の前提条件でした。また、2026年2月の調査は86万3000件のキーワードと400万件のURLを解析したもので、Gemini 3のグローバル適用(2026年1月27日)の前後で引用元の分散が進んだと分析されています。
ただし、ここで前提を確認しておきましょう。2026年の調査の対象はGoogle US SERPでトリガーされたAIによる概要であり、日本の検索結果を解析したものではありません。国内の傾向は、別のデータで補う必要があります。
その国内データにあたるのが、広報PR会社のシェイプウィンが2026年6月に92記事を対象として実施した独自調査でした。引用されていた記事の42.4%が検索10位圏外だったと報告されています。
圏外からの引用が増えたとはいえ、内訳には偏りもあります。トップ100圏外からの引用に限ると、その18.2%をYouTubeが占めるという集計もありました。順位を無視してよいという話ではありません。
整理すると、上位表示は必要条件に近いものの、十分条件ではなくなりました。10位圏外の記事にとっては「順位が上がるまで待つ」以外の道が生まれ、上位の記事にとっては「上位にいるだけでは足りない」現実が突きつけられています。
用語の違いに時間を使う必要はない
AIO、LLMO、GEO、AEOと、似た概念が短期間に大量に生まれ、社内説明の場で定義の議論が始まってしまうケースをよく見かけます。
出自をたどれば、AEOは回答エンジン最適化を起点とするなど、それぞれ指す範囲は異なります。ただし実務上の打ち手はほぼ重なり、生成AIの回答に自社が現れるかどうか、という一点に収束するでしょう。
そのうえで押さえておきたいのが、Googleの公式見解です。2026年5月15日に公開された生成AI機能向けの最適化ガイドと、2026年6月15日のllms.txtガイドラインで、必要のない対応がはっきりしました。
- llms.txtやAI向けの専用ファイルは、Google検索に表示されるためには不要
- 生成AI検索のためだけの特別なマークアップも不要
- コンテンツを細切れに分ける必要もない
- ただしAIエージェントへの対応という用途では、llms.txtの位置づけが異なる
特別な裏技は存在しません。基礎的なSEOが効いた良質な記事を、引用しやすい形で書くことに尽きます。定義の整理に時間を使うより、主要なクエリで自社が実際に引用されているかを確認するほうが、判断材料は増えるはずです。
リライトの目的を順位回復から引用可能性へ置き換える
AIO前提のリライトは、従来型のリライトと3つの判断軸で分かれます。
対象記事の選び方が順位から乖離へ
長らくリライトの定石は、検索7〜15位あたりの惜しい記事から手をつけることでした。少ない工数で順位が動きやすく、投資対効果が読みやすいからです。この定石自体は、いまも有効でしょう。
ただしAIOの影響下では、優先度の高い対象群がもうひとつ生まれました。順位は1〜3位で安定しているのに、クリック率だけが落ちている記事です。
Search Consoleで、直近3か月と前年同期のクリック率をページ単位で比較してみてください。順位がほぼ横ばいなのにクリック率が3割以上落ちているページがあれば、そこはAIによる概要に答えを持っていかれている可能性が高いといえます。従来の判断軸では「1位なので問題なし」と分類され、リライト候補から外れ続けてきました。
制作の現場では、この群が手つかずのまま残っているケースに何度も出会います。しかも、その多くはメディアの看板記事にあたります。流入の柱が静かに削られているにもかかわらず、順位レポート上は健全に見えてしまう点が、この問題のいちばん厄介なところでしょう。
引用されるのは記事ではなく一節
AIは記事全体を通読して「この記事は良い」と判定しているわけではありません。ユーザーのクエリを内部で複数のサブクエリに分解し(query fan-out)、それぞれに対応する断片を各所から集め、回答として再構成しています。
引用の単位は記事ではなく、段落やパッセージだと考えてください。この理解の有無で、リライトの作業内容はまるで変わります。
具体的な判定基準は、段落単体で切り出したときに意味が通るかどうかでしょう。たとえば「前章で述べた3つの要因のうち、2つ目が特に重要になります」という文は、記事を通読する読者には親切でも、切り出された瞬間に何も語らない文字列に変わってしまいます。指示語と後方参照が多い記事は、内容の質とは無関係に引用されにくくなります。
実務では、リライトの着手前に「この記事のどの一文が引用されてほしいか」を先に決めてしまう方法が効率的でした。引用されたい一文が決まると、その周辺に何を書き足すべきか、どこを削るべきかが自動的に決まっていきます。構成案を眺めたまま着手できない、という状態が減ります。
二次情報だけの記事は効果が頭打ちになる
他社記事の要約を組み合わせただけの記事でも、上位に表示されていれば引用されることはあります。先述のとおり、引用ページの順位中央値は2位でした。順位という土台がある限り、内容が一般的でも回答の材料には選ばれます。
問題は、その状態が続かないことです。LLMは一般的な情報をすでに大量に学習済みであり、まとめ直しの二次情報そのものには引用する動機がありません。順位が落ちた瞬間に、引用も同時に失ってしまうでしょう。
反対に引用の理由をつくるのは、次のような情報です。
- 自社独自の調査データやアンケート結果
- 固有名詞と数値をともなう導入事例
- 有資格者や実務担当者による考察
枠そのものは、思われているより広く開いています。AI回答7000件超を分析した調査によれば、1回答あたりの平均引用ドメイン数は6.61件、Google AI Modeでは14.36件でした(Optyino.aiの調査)。ただしこの調査は、おすすめ系のプロンプト9種について2025年9月から2026年4月の回答を分析したものであり、BtoBの課題解決型クエリにそのまま当てはまるとは限りません。
それでも、枠が6件から14件程度あるという事実は変わりません。大手メディアだけで埋まる構造ではないため、中堅メディアや事業会社のオウンドメディアにも勝ち目が残っています。
リライトしない判断も必要になる
すべての記事がリライトの対象になるわけではありません。次の3条件がそろった記事は、部分的な手直しよりも、企画からの作り直しか統合を検討したほうが早い場合があります。
- 独自情報がゼロで、調達の見込みも立たない
- 検索意図そのものが公開時から変質している
- 似たテーマの記事が社内に3本以上あり、評価が分散している
とくに3つめは見落とされがちです。カニバリを解消せずに個別リライトを重ねても、順位も引用可能性も上がりません。統合してリダイレクトを設定するほうが、工数あたりの効果は大きくなります。
既存記事をAIO前提で作り替える6つの手順
1本あたりの所要時間は、独自情報の調達を含めなければ1時間から2時間程度が目安になります。
- Search Consoleで対象を3群に分ける
- 冒頭150文字を答えに入れ替える
- 見出しをサブクエリに寄せる
- 一次情報を1記事に最低1つ注入する
- 段落を単体で完結する形に直す
- 更新日と構造化データを整えて計測に接続する
Search Consoleで対象を3群に分ける
まず、リライト候補を性質ごとに分類します。
| 群 | 対象になる記事 | 手を入れる理由 |
|---|---|---|
| 第1群 | 順位は維持でクリック率が急落した記事 | AIによる概要に答えを持っていかれている |
| 第2群 | 7〜15位で停滞している記事 | 従来型の改善余地が残っている |
| 第3群 | 公開から2年以上が経過し、記載データが古い記事 | 情報の鮮度が信頼性の減点要因になる |
第1群への対応を最優先で進めてください。3群すべてを同時に走らせようとすると、たいてい途中で止まります。主力記事5本から10本に絞り、月次で回す前提を置きましょう。
分類の際には、記事ごとの獲得キーワードもあわせて確認しておきます。狙ったキーワードとは別の語句で流入が発生している記事は、リライトの方向を読み違えやすい部分です。実際の流入語に構成を寄せるだけで改善するケースも、少なくありません。
冒頭150文字を答えに入れ替える
工数に対する変化が見えやすいのは、冒頭部分の書き換えです。記事冒頭の導入文が、検索意図への直接的な回答になっているかを確認しましょう。
多くの記事は、冒頭を課題提起と共感で埋めています。読者の心をつかむ導入としては正しい設計でしたが、AIが「この記事は何に答える記事か」を判定する場所としては、情報量が足りません。
推奨するのは、共感の前に定義と結論を置く構成です。「記事のリライトとは、既存記事を検索意図と情報鮮度の両面から作り替える施策を指します」といった一文を先頭に置き、そのうえで課題提起に入ります。読者の読みやすさを保ったままAIへ判定材料を渡す、現実的な折衷案になるでしょう。
冒頭の一文には、記事の主題となる語をそのまま含めてください。「その施策」「この手法」といった置き換えを冒頭で使うと、切り出されたときに主題が消えてしまいます。
見出しをサブクエリに寄せる
query fan-outの発想に合わせるなら、見出しは「本文の目次」ではなく「想定される質問リスト」として設計し直すべきです。
| 組み替え前の見出し | 組み替え後の見出し |
|---|---|
| リライトの重要性 | リライトで順位が下がる原因 |
| リライトの基本 | リライト後に効果が出るまでの期間 |
| リライトの進め方 | 7〜15位の記事から着手する理由 |
そのうえで、見出し直下の1段落目に結論を書き切りましょう。見出しと結論のセットが、そのまま引用候補のパッセージになります。
見出しの文言を組み替えたら、内部リンクのアンカーテキストも合わせて見直しておきましょう。関連記事へのリンクが「詳しくはこちら」のままだと、リンク先の主題が機械的に判別できません。リンク先の見出しをそのままアンカーにする程度の修正で、サイト内のトピックの関係が読み取りやすくなります。
見出し階層の崩れも、意外な落とし穴でした。h2からh4へ飛ぶ、h3が1つしか存在しないといった構造は、読者にとっても解析側にとっても情報の関係を追いにくくします。リライトのついでに階層を整えておきましょう。
一次情報を1記事に最低1つ注入する
独自データ、取材コメント、自社の実測値のいずれか1つでかまいません。記事の中に、他のどこにも書かれていない情報を必ず埋め込みましょう。
社内を探すと、素材は意外と見つかるものです。
- 営業が日常的に受けている質問とその頻度
- サポートに寄せられる問い合わせの傾向
- 過去に実施した施策で動いた数値
取材を挟む場合、30分の社内インタビューでも記事は変わります。一般論に落ちない発言を引き出したいなら、次の3つを軸に据えると外しません。
- その判断をした理由
- 当初の想定と違った点
- いま同じ状況ならどう動くか
数値を扱うときは、母数と期間をセットで書いてください。
| 避けたい書き方 | 置き換える書き方 |
|---|---|
| 導入企業の8割が改善 | 2025年に導入した24社のうち19社で改善を確認 |
| ある調査によると | 調査の実施主体と調査時点を明記し、出典へリンク |
前者は誰でも書ける表現で、後者は自社にしか書けない表現です。信頼性を担保する観点では、リンクのない数値は書かないくらいの姿勢でちょうどよいと考えています。
段落を単体で完結する形に直す
先に確認しておくと、Googleはコンテンツを細切れに分ける必要はないと公式に述べています。ここで整えるのはAI専用の書式ではなく、読者にとっても引用にとっても扱いやすい単位でしょう。
手を入れる箇所は5つあります。
- 指示語を具体的な語に戻す
- 「前述の通り」「後述します」といった記事内参照を削るか、要点を再掲する
- 表記ゆれを統一する
- 専門用語の初出に短い言い換えを添える
- 1段落を1トピックに限定する
とくに表記ゆれは軽視されがちではないでしょうか。「AI Overview」「AIによる概要」「AIO」を混在させたまま公開している記事は、実務でかなりの頻度で見かけます。読者は文脈で補完できても、機械的な処理では別概念として扱われる可能性が残るでしょう。記事の主題に関わる語だけでも、表記を1つに決めておきましょう。
段落の長さは、切り取られても文意が残る範囲に収めます。目安としては3文から5文でしょう。長すぎる段落は要点が埋もれ、短すぎる段落は文脈を持たないまま孤立します。
更新日と構造化データを整えて計測に接続する
更新日の明示は基本ですが、日付だけを書き換える運用は逆効果です。Googleは更新の回数ではなく、コンテンツの差分まで読み取って評価しているとされます。本文中にも「2026年7月時点」といった時点情報を書き込み、次回の見直し時期を編集部内で決めておく運用が現実的でしょう。
構造化データについては、前提そのものが変わりました。FAQリッチリザルトの廃止が、次のスケジュールで進んでいます。
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2023年 | 表示対象が政府系・医療系の権威あるサイトに限定 |
| 2026年5月7日 | 検索結果でのFAQリッチリザルト表示が終了 |
| 2026年6月 | リッチリザルトレポートとリッチリザルトテストのサポートが終了 |
| 2026年8月 | Search Console APIでのサポートが終了 |
とはいえ、実装済みのFAQPageを慌てて削除する必要はありません。Google公式は積極的な削除は不要としており、マークアップの解析自体は継続され、ページ理解やAI検索での参照に活用されるとされています。着手の優先順位としては、Articleやパンくずといった基本の型を整えるほうが先でしょう。
計測面では、2026年6月3日にSearch Consoleの生成AIパフォーマンスレポートが発表されました。ただし段階的なリリースのため、すべてのプロパティで利用できるわけではありません。初期の展開は一部地域のサイトに限定されていると報じられており、日本のプロパティで今すぐ確認できるとは限りません。
確認できる項目にも限りがあります。
| 確認できる項目 | 確認できない項目 |
|---|---|
| 表示回数 | クリック数 |
| ページ | クリック率 |
| 国・デバイス | 掲載順位 |
| 日付 | 検索クエリ |
そもそも、引用の獲得をクリック数だけで評価すると過小評価になります。Pewの実測では、AIによる概要が表示された検索でのリンククリックは8%、要約内の引用ソースのクリックは1%でした。計測の穴は、次の3つで埋めましょう。
- 指名検索数の推移
- AI検索サービスからのリファラル流入
- 主要プロンプトを手動で投げ、自社が引用されるかを確認する定点観測
定点観測の記録は、スプレッドシートに1枚あれば十分でしょう。プロンプト、確認日、引用の有無、引用された競合の4列を埋めていくだけで、半年後には自社の立ち位置が見える資料に育ちます。
成果が出ないリライトに共通する4つのパターン
やってはいけない型も押さえておきましょう。
情報を足すだけで文字数を伸ばす
最も多い失敗がこれにあたります。既存の見出しの下に説明を書き足していくと、文字数は増えても、パッセージあたりの情報密度は下がります。引用単位が段落である以上、薄まった段落は選ばれにくくなるでしょう。加筆するときは、重複する説明と前置きの削除を同じ作業のなかで行ってください。
上位記事の見出しを寄せ集める
競合の見出しを並べて不足分を補う手法は、順位を狙う施策として長く機能してきました。ただしAIOの文脈では、その作業はLLMが学習済みの一般情報を再生産しているだけになります。網羅性は前提条件であって、差別化要因ではなくなりました。
生成AIの出力をそのまま公開する
リライトの下書き生成にAIを使うこと自体は、まったく問題ありません。工数削減の効果も大きいでしょう。ただし出力をそのまま公開すると、他社が同じツールで生成した文章と論旨も構成もほぼ一致します。AIに引用されたい記事が、AIの平均的な出力に近づいてしまうわけです。人の手で足すべきなのは、実感をともなった判断と、社内にしかない事実でしょう。
全記事を一斉に書き換える
数百本のメディアで一斉リライトを走らせると、順位や流入が動いたときに原因を特定できなくなります。何が効いたのかわからないまま次の施策に進むため、社内にノウハウも蓄積されません。月に5本から10本、対象を絞って回すほうが、結果的に速く進みます。
効果が出るまでの期間と社内報告の組み立て方
リライトの効果判定は、公開から1か月では早すぎます。再クロールと再評価に時間がかかるため、最低でも2か月、長ければ半年程度を見込んでおく前提が現実的でしょう。四半期単位で振り返る運用に切り替えておきましょう。
報告の場で困りやすいのは、AIによる概要への引用が数値化しにくい点です。クリック数だけを持っていくと、施策の成果が見えないまま予算の議論に入ってしまいます。現実的な落としどころは、指標を3層に分けて報告する方法でした。
| 層 | 置く指標 | 役割 |
|---|---|---|
| 第1層 | 流入・コンバージョン | 事業への貢献を示す |
| 第2層 | 表示回数・クリック率・平均掲載順位 | 施策の進捗を示す |
| 第3層 | 主要プロンプトでの引用有無・指名検索数の推移 | AI検索での可視性を示す |
第3層は他社比較や絶対値での評価には向きませんが、四半期ごとの変化として並べれば十分に意味のある材料になります。「3か月前は競合2社だけが引用されていたプロンプトで、今期は自社も引用された」という1行が、予算継続の判断材料として機能した例もあります。
リライトを続けられる体制をつくる
AIOの評価軸は、この1年でも大きく動いてきました。米国の調査で引用元のトップ10依存度が7か月で半減した事実が示すのは、いまの最適解が来年も最適解である保証はない、ということでしょう。
だからこそ、1回のリライトで完結させる発想から離れる必要があります。主力記事を5本から10本選び、四半期ごとに引用状況と流入を確認し、翌四半期の対象を入れ替えていきましょう。この循環を回せる体制のほうが、単発の大規模リライトよりも確実に効きます。
一方で、循環を止める要因も見えてきました。原因のほとんどは、独自情報の枯渇です。取材や社内データの調達が追いつかなくなった瞬間、リライトは表現の手直しに退化してしまうでしょう。文章を整える工数よりも、事実を仕入れる工数をどう確保するかが、運用設計の中心に来ます。
記事リライトのAIO対応は合同会社字遊堂にご相談ください
合同会社字遊堂は、取材にもとづく一次情報の獲得を軸に、SEO記事の制作と既存記事のリライトを手がけています。競合分析から構成設計、執筆、公開後の改善までを、一貫して担当いたします。
- 独自情報を持たせたいが、社内に取材の手が足りない
- 既存記事が数百本あり、どこから着手すべきか判断できない
- AI検索での可視性を、どう社内に報告すべきかわからない
こうした段階からでも、お気軽にご相談ください。プレスリリースや採用コンテンツ、社史制作など、オウンドメディア以外の発信もあわせて設計できます。事業の状況にあわせて、必要な範囲だけを切り出してお手伝いすることもできるでしょう。
AIに引用される記事は、小手先の最適化ではなく、その会社にしか書けない事実の積み上げから生まれます。手元の記事にその事実を宿らせる作業を、ぜひ伴走させてください。

