公開日 2025年11月17日
「スキルはあるのに、なぜか選ばれない」「実績があるのに、リピートされない」。
そんな悩みを抱えるクリエイターは少なくありません。
実は、仕事の受注率を左右しているのは、技術力ではなく“自己紹介の中にある哲学”です。
ここで言う哲学とは、“自分が何のためにこの仕事をしているのか”という信念のこと。
それを言語化できる人は、自然とブランド化しています。
そして、その整理に役立つのが、サイモン・シネック氏のゴールデンサークル理論（WHY→HOW→WHAT）です。
哲学のない自己紹介は、記憶に残らない
多くのクリエイターが、自己紹介でこう話します。
- 「Webサイトのデザインをしています」
- 「映像を制作しています」
- 「記事を書いています」
これらは事実として正しいですが、聞き手の印象には残りません。
なぜなら、“他の誰でも言える内容”*だからです。
相手は「この人に頼みたい理由」が見つからないまま話を終えてしまいます。
技術で差別化するのが難しい時代だからこそ、考え方の軸＝哲学が必要です。
ゴールデンサークルが「哲学」を言語化する
ゴールデンサークル理論では、物事を3つの円で整理します。
- WHY（なぜ） ─ 信念・目的・存在意義
- HOW（どのように） ─ 強み・手法・こだわり
- WHAT（何を） ─ 提供サービス・実績
ほとんどの人は、WHAT（何をする人か）から語ります。
しかし、信頼される人・選ばれる人は、WHY（なぜやっているのか）から語ります。
ここに“哲学”が表れます。
WHYを語る人は「ブランド」になる
たとえば、次の2人の自己紹介を比べてみてください。
A：「企業サイトや採用ページの文章を書いています。」
B：「企業の魅力を正しく伝え、良いサービスが埋もれない社会をつくりたいと思い、ライターをしています。」
どちらが印象に残るでしょうか？
BのようにWHYから話すと、仕事を「作業」ではなく「使命」として捉えている印象を与えます。
この“使命感”こそが哲学であり、ブランドの原点です。
HOWで「信頼できる人」として記憶される
WHYで共感を得たあとは、「HOW（どのように価値を提供しているか）」を具体的に伝えます。
- 「取材では相手の言葉を丁寧に拾い、構成で感情を再現します。」
- 「デザインの意図を言語化し、クライアントと共有しながら進めます。」
- 「読みやすさだけでなく、行動を促す導線設計まで考えています。」
HOWは、あなたのプロ意識や仕事の哲学を補強します。
「どんな姿勢で仕事に臨んでいるか」を示すことで、信頼が生まれるのです。
WHATで「結果」を示す
最後に、WHAT（具体的な成果）をシンプルに伝えます。
- 「これまでに中小企業を中心に、年間100本以上の記事を制作しています。」
- 「採用動画やSNS広告など、映像を通じたブランド発信を行っています。」
WHATは“結果”ですが、WHYとHOWの延長線上にあるものです。
単に実績を並べるより、「想いと方法の結果」として語ることで説得力が増します。
実践例：自己紹介に“哲学”を宿す
私は、良いサービスや想いが正しく伝わらない現状を変えたいと思い、ライターとして活動しています（WHY）。
丁寧な取材と構成で、読者が行動したくなる文章を作ることを大切にしています（HOW）。
これまでに企業サイトや採用ページ、周年事業など幅広いライティングを担当してきました（WHAT）。
このように語ると、単なる自己紹介ではなく、あなたの“仕事観”が伝わります。
その結果、相手は「この人と一緒に働きたい」と感じるのです。
哲学がある人は、値引きされない
不思議なことに、自分の哲学を明確に語れるクリエイターほど、価格交渉をされにくくなります。
なぜなら、クライアントは「代替がきかない」と感じるからです。
哲学＝ブランドは、“他に替えが効かない理由”になります。
それは単なるスキルや実績よりも、長期的な信頼を生む力があります。
哲学を持つ自己紹介がブランドをつくる
- WHAT（何をしているか）だけでは埋もれる
- WHY（なぜしているか）を語ることで哲学が伝わる
- HOW（どのように）で信頼を補強する
- WHAT（結果）で説得力を加える
この流れを意識すれば、自己紹介そのものがブランドメッセージになります。
仕事を断られない人は、自分の活動に“理由”を持っています。
スキルを磨くだけでなく、自分の哲学を言語化することが、最強の営業戦略なのです。
