公開日 2025年11月15日
「営業は苦手」「自分を売り込むのが恥ずかしい」──。
そう感じているクリエイターは多いです。
ライター、デザイナー、カメラマン、映像クリエイター……。
どの職種でも、制作に集中したい気持ちは共通しています。
しかし、仕事を継続的に受けるためには、自分を信頼してもらう“伝え方”が欠かせません。
このときに役立つのが、サイモン・シネック氏の提唱したゴールデンサークル理論(WHY→HOW→WHAT)です。
営業が苦手な人ほど、この順番を意識することで自然に信頼を得られるようになります。
なぜ営業が苦手だと感じるのか
多くのクリエイターは「自分の作品が評価されたい」と思っています。
だから、口で説明するよりも「見てもらえば分かる」と考えがちです。
けれども、初対面の相手はあなたの実績を知りません。
信頼は、“作品”よりも“人”に対して生まれるものです。
営業に抵抗を感じるのは、「自分を売り込む」意識が強すぎるからです。
「売る」のではなく、「理解してもらう」ために話す。
その意識に変えるだけで、営業のストレスは大幅に減ります。
ここで力を発揮するのが、「WHY→HOW→WHAT」で語る自己PRです。
WHYから話すと信頼が生まれる理由
多くの自己紹介は「WHAT(何ができるか)」から始まります。
- 「Webデザインができます」
- 「動画を編集しています」
- 「取材記事を執筆しています」
これは事実ですが、相手の記憶には残りにくいです。
同じスキルを持つ人が無数にいるため、印象が埋もれてしまうからです。
一方で、「WHY(なぜ)」から話すと印象が変わります。
「なぜこの仕事をしているのか」「どんな想いで作品を作っているのか」。
これを語ることで、あなたの人間性と信念が伝わります。
「伝える力で、小さな会社や個人の想いを広めたいと思い、ライターになりました。」
「デザインを通して、人の気持ちが動く瞬間を作りたいと考えています。」
このような“動機”や“信念”には、他人が真似できない力があります。
それが、信頼の土台になるのです。
HOWでプロフェッショナルを印象づける
次に語るのが、「HOW(どのように価値を提供しているか)」です。
これはあなたの“仕事のこだわり”や“強み”を具体的に伝えるパートです。
「クライアントの想いを丁寧に聞き出し、目的から逆算して構成を作ります。」
「読みやすさとSEOの両立を意識し、成果につながる文章を書くことを大切にしています。」
HOWを語ることで、あなたが“単なる作業者”ではなく、目的を理解して動くパートナーだと伝わります。
この部分がしっかりしていると、相手は「安心して任せられる」と感じます。
WHATで信頼を裏づける
最後に「WHAT(何をしているのか)」を簡潔に伝えましょう。
ここでは、具体的なサービスや実績を述べます。
「これまでに企業のオウンドメディアや採用サイトなど、100社以上のコンテンツ制作を担当しています。」
「SNS広告用の動画やYouTubeチャンネルの運営など、幅広く携わっています。」
WHATは“結果”の部分です。
ただし、長く話す必要はありません。
むしろ、WHYとHOWがしっかりしていれば、簡単な実績紹介だけで十分に信頼されます。
例:1分で伝わる自己PR
私は、良いサービスや企業の想いを“言葉”で広げたいと思い、ライターとして活動しています(WHY)。
丁寧な取材と構成で、読者が行動したくなる文章を作ることを意識しています(HOW)。
これまでに、企業サイトや採用ページなど、多様なコンテンツ制作を担当してきました(WHAT)。
このように、WHY→HOW→WHATの順で話すだけで、
“売り込み感のない自己紹介”になります。
自然に信頼を得られるうえ、あなたの想いが印象に残ります。
営業が苦手でも成果を出せる理由
営業の目的は「契約を取ること」ではありません。
まずは「信頼されること」です。
信頼されれば、提案が通り、紹介が生まれ、長期的な関係につながります。
ゴールデンサークルは、その信頼を生むための“構成テンプレート”です。
感情(WHY) → ロジック(HOW) → 実績(WHAT)という流れで話すと、
「誠実で、プロ意識の高い人だ」という印象を与えられます。
「売り込まない営業」で信頼を勝ち取る
- 営業が苦手なのは「売る」と考えるから
- WHYから語ることで信頼が生まれる
- HOWで専門性を伝える
- WHATで安心感を与える
営業が得意でなくても、伝える順番を整えるだけで成果は変わります。
「WHY→HOW→WHAT」で話せば、あなたの自己紹介は立派な“営業ツール”になります。
売り込まず、信頼で選ばれる。
それが、クリエイターの新しい営業スタイルです。

