公開日 2025年11月14日
営業が苦手なクリエイターは少なくありません。
「作品を見れば分かってもらえるはず」と考え、無理に自分を売り込もうとしない人も多いでしょう。
しかし、ビジネスの現場では「話し方」や「自己紹介」で印象が決まります。
たとえ1分でも、自分の価値を伝えられる人は、自然とチャンスを引き寄せます。
そのカギになるのが、エレベーターピッチとゴールデンサークル理論を組み合わせた自己紹介法です。
エレベーターピッチとは?
エレベーターピッチとは、エレベーターに乗っているわずかな時間(30〜60秒)で、相手に自分のビジネスを端的に伝えるプレゼン手法のことです。
もともとはスタートアップの資金調達などで使われていましたが、クリエイターの営業にも非常に効果的です。
大切なのは「短く・印象的に・相手が興味を持つ」構成にすることです。
そのために使えるのが、サイモン・シネック氏の提唱する**ゴールデンサークル理論(WHY→HOW→WHAT)**です。
ゴールデンサークルで作る“伝わる構成”
エレベーターピッチを成功させるためのポイントは、順番です。
多くの人は「自分が何をしているか」から話し始めます。
しかし、記憶に残る人は必ず「なぜそれをしているか」から話します。
ゴールデンサークルをエレベーターピッチに当てはめると、以下のようになります。
- WHY(なぜ):仕事の原動力・信念を語る
- HOW(どのように):強みやこだわりを説明する
- WHAT(何を):具体的なサービスや実績を伝える
この順番で話すだけで、「説明」ではなく「共感」から始まる自己紹介になります。
1.WHYで共感をつかむ
最初の10〜15秒は、相手の感情に届く「WHY」を語ります。
- 「良いサービスが正しく伝わらずに埋もれてしまうのがもったいないと思い、ライターになりました。」
- 「人の想いを形にできるデザインの力に惹かれて、この仕事をしています。」
ここで共感を得られれば、相手は「もっと聞きたい」と感じます。
自己紹介の成否は、ほとんどこの段階で決まります。
2.HOWで信頼をつかむ
次の20〜30秒で、「どのように仕事をしているか」を伝えます。
- 「取材では相手の言葉を丁寧に拾い、感情まで伝わる構成にまとめます。」
- 「目的を明確にして、見る人が“一瞬で理解できる”デザインを意識しています。」
HOWは、あなたの仕事に対する姿勢や専門性を伝える部分です。
単に“できること”ではなく、“どうやって成果を出しているか”を話すことで、信頼が生まれます。
3.WHATで実績を裏づける
最後の10〜15秒で、「WHAT=何を提供しているか」を明確にします。
- 「企業の採用サイトや広報記事のライティングを担当しています。」
- 「中小企業やスタートアップのブランディングデザインを中心に手がけています。」
WHATは事実の提示なので、数字や具体的な名称を入れると説得力が増します。
「年間50本以上の記事」「10社以上のロゴデザイン」といった具体性が信頼を支えます。
実践例:60秒で伝わるエレベーターピッチ
私は、良いサービスや企業の想いが埋もれてしまうのがもったいないと思い、言葉で魅力を届けるライターをしています(WHY)。
丁寧な取材と構成で、読者が行動したくなる文章を作ることを大切にしています(HOW)。
これまでに、企業サイトや採用ページなど、100社以上のコンテンツ制作を担当してきました(WHAT)。
このように、WHY→HOW→WHATの順で話すと、単なる自己紹介ではなく「小さなプレゼンテーション」になります。
売り込まない営業とは、“価値観を共有する”こと
ゴールデンサークルを使ったエレベーターピッチは、相手に「買ってください」と言わなくても、「この人と組みたい」と思わせる力を持っています。
それは、共感が先に立つからです。
人は「共感できる理念」を持つ人に信頼を寄せます。
だからこそ、営業トークではなく、“自分の軸”を語ることが最も効果的なのです。
1分で信頼されるクリエイターへ
エレベーターピッチ×ゴールデンサークルの組み合わせは、短い時間でも強い印象を残せます。
WHY:なぜその仕事をしているのか(理念・情熱)
HOW:どのように価値を生み出しているのか(方法・強み)
WHAT:何を提供しているのか(具体的な成果)
この順番で自己紹介を整えると、売り込まなくても「この人にお願いしたい」と思ってもらえるようになります。
営業が苦手な人こそ、このフレームを使って「語り方」を整えてみてください。
あなたの想いが、次の仕事を呼び込みます。

