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社史作りが社内コミュニケーションを変える|会社をつなぐ「対話の場」としての社史プロジェクト

公開日 2025年09月27日

部下とコミュニケーションを取る女性社員

「社史」と聞くと、会社の歴史を冊子にまとめるだけの作業を想像する人が多いでしょう。
しかし、実際に社史を作る過程は、会社を変えるコミュニケーションの場になります。

特に中小企業や3代目経営者にとって、社史は単なる記録ではなく、
社員同士がつながり、理念が共有され、組織が一つになるきっかけになるのです。

社史は「過去を残す」だけではない

社史には二つの価値があります。
一つは、これまでの歴史を記録し、次世代に残す「保存価値」
もう一つは、作成過程で社員同士が対話を重ね、会社の未来を考える
「創造価値」です。

後者は、冊子が完成する前からすでに成果を生み出します。
つまり、社史は「作ること自体が社内コミュニケーション改革」なのです。

社史作りが社内コミュニケーションを変える3つの理由

1. 部署や世代を超えた対話が生まれる

社史を作るには、創業期を知るベテラン社員から現場の若手社員まで、多くの人へのインタビューが欠かせません。
この過程で、普段は接点がない社員同士が会話をする機会が生まれます。

例:
製造現場のベテランが、営業部門の若手に「昔はこういう工夫をしていた」と語る。
若手がそれを聞き、「その強みをもっと売り出せるはずだ」と新たな提案をする。

こうした世代間・部署間の対話は、自然と社内の壁を取り払います。

2. 経営理念が「言葉」から「自分ごと」に変わる

経営理念やビジョンは掲げているだけでは浸透しません。
社史作りを通じて、理念が具体的なストーリーとして語られることで、社員の理解が深まります。

創業者や先代経営者が、どんな想いで会社を立ち上げ、どんな苦難を乗り越えてきたのか。
それをインタビューや資料から掘り起こし、共有することで、理念は単なる言葉から**「自分の行動指針」**へと変わります。

3. 未来を語る対話が始まる

社史は過去を振り返るだけでなく、「これから何を目指すか」を考える場でもあります。
歴史を整理すると、会社が得意としてきたことや乗り越えてきた課題が見えてきます。
そのうえで、次の世代にどんな会社を残すのか――未来を語る対話が自然と生まれるのです。

3代目経営者や後継者にとって、このプロセスは経営方針を社員と共有する絶好の機会になります。

実際の変化事例:社史が組織を変えた2つのケース

事例1:50周年を迎えた地方製造業

社員数120名の地方製造業では、50周年を機に初めて社史を作成しました。
それまで部署間の交流は少なく、理念も掲げられてはいたものの、社員が自分の言葉で語ることはできない状況でした。

プロジェクトは、現場から役員まで全社員にインタビューを行う形式でスタート。
昔の現場を知るベテラン社員が当時の苦労話を語ると、若手社員が驚きと尊敬の気持ちを抱き、自然と会話が生まれました。
完成前の段階で以下の変化が見られました。

  • 部署間の情報交換が活発になり、製造と営業が連携した新商品アイデアが誕生
  • 社員満足度調査で「会社への愛着」が前年より12%アップ
  • 定例会議で経営理念が自然と話題にのぼるようになった

冊子が完成する前から、社史作りそのものが社内コミュニケーション改革のきっかけになった好例です。

事例2:事業承継期に揺れる老舗小売業

創業70年を迎えた老舗小売業では、代替わりを控えたタイミングで社史を作成しました。
先代社長と新社長候補、ベテラン社員の間には「昔と今のやり方」の溝があり、社内には見えない対立がありました。

社史編纂では、先代が築いた理念や過去の決断の背景を丁寧に掘り起こし、若手社員と一緒に編集会議を重ねました。
すると、先代が代替わりに対して抱えていた不安がストーリーとして共有され、新社長候補も先代への理解を深めることができました。

結果、社員同士の会話が増え、代替わりをスムーズに進められたのです。
「冊子が完成する頃には、経営陣と社員が同じ方向を向いていた」と新社長候補は語ります。

社史は「組織を一つにするプロジェクト」

社史は単なる記録ではありません。
作る過程そのものが、社員同士をつなぎ、理念を浸透させ、未来を語る場となります。

特に代替わりを控えた中小企業にとって、社史は世代をつなぐコミュニケーションの架け橋です。
冊子が完成する頃には、組織全体がひとつになり、次のステージに進む準備が整っているはずです。

会社を変える第一歩は、「歴史をまとめる」というシンプルな行動から始まります。
その一歩が、未来の組織文化をつくる大きな力になるでしょう。

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