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会社の「暗黙知」を見える化する社史|失われる前に残す、会社だけの知恵と技術

公開日 2025年09月26日

知らないことに悩まされる女性社員

会社には、マニュアルには載っていない**“暗黙知”**が数多く存在します。
それは、ベテラン社員が長年の経験から培った勘や技術、顧客対応の工夫、現場での判断基準――。
言葉にされないまま日常の業務で活かされてきた知識です。

しかし、この暗黙知は人とともに消えていくという大きなリスクを抱えています。
特に創業期から会社を支えてきたベテラン社員が退職するとき、会社独自の価値が一緒に失われてしまうことも少なくありません。

こうした暗黙知を体系的に残すために有効なのが、社史の作成です。

暗黙知が失われると起きる3つの問題

  1. 品質やサービスの再現性が失われる
    熟練社員がいなくなると、製品やサービスの品質が安定せず、顧客満足度が低下します。
    これは製造業だけでなく、飲食や小売、BtoBサービスなどあらゆる業種で発生します。

  2. 現場判断が属人的になり、組織が混乱する
    「あの人ならこう判断していた」という基準が消えると、社員同士で判断が分かれ、現場が混乱します。
    結果として、経営陣への確認が増え、意思決定が遅れる原因になります。

  3. 事業承継の断絶が起きる
    3代目や後継者が経営を引き継ぐ際、過去の成功や失敗の背景を知らないまま判断を下すことになります。
    その結果、先代や創業者が築いてきた会社の強みを活かしきれないまま、経営が迷走することもあります。

「暗黙知」は言語化しなければ伝わらない

暗黙知は、社員が「感覚的にできてしまう」ものです。
本人も無意識に行っているため、いざ後進に教えようとしても言語化が難しく、
「見て覚えろ」「経験で学べ」という属人的な伝承になりがちです。

例えば、次のような知識は典型的な暗黙知です。

  • 製造ラインで不具合を瞬時に見抜くポイント
  • 長年の顧客対応で培った信頼関係の築き方
  • 繁忙期に現場をスムーズに回す段取り
  • 新規取引先との交渉時に注意すべき微妙なサイン

これらはマニュアルだけでは決して伝わりません。
言語化と体系化があって初めて、組織に共有できる知恵になります。

社史が果たす「暗黙知の言語化」の役割

社史は、単なる歴史の記録ではなく、会社が積み重ねてきた知識や文化を整理するプロジェクトです。
その過程で、次のような効果的な暗黙知の見える化が実現します。

1. ベテラン社員へのインタビュー

創業期や成長期を知る社員にインタビューを行い、当時の判断基準や工夫を引き出します。
これにより、「なぜその決断をしたのか」という背景が共有されます。

例:製造現場での「不具合を未然に防ぐ感覚」を、言葉と写真で具体的に記録。

2. 会社独自のノウハウをストーリー化

単なる手順書ではなく、ストーリーとしてまとめることで、
後継者や若手社員が感情的にも理解しやすくなります。

例:顧客からのクレーム対応を機に、全社で改善に取り組んだエピソードを記載。

3. 共有と活用で「生きた知識」に

完成した社史は、冊子やPDFで社員に配布するだけでなく、
研修や採用説明会で活用することで、知識が生きた形で次世代に伝わります

例:新入社員研修で「会社の歴史とDNA」を学び、早期戦力化を実現。

実際の失敗例:暗黙知を残せなかった会社

ひとつの例を出します。

ある製造業の中小企業では、熟練技術者が数名同時に退職しました。
その結果、製品の品質不良が相次ぎ、クレームが前年比で2倍以上に増加
経営陣は原因を探りましたが、ノウハウが言語化されておらず、
「何が失われたのかすら分からない」という深刻な状況に陥ってしまったのです。

もし早い段階で社史を通じて技術や判断基準を残していれば、
この損失は防げた可能性が高いでしょう。

暗黙知を社史に残すには?

暗黙知を社史に残すには、以下の過程でそれが暗黙知であることを理解し、
どのような方法で残すのが適切なのかを決める必要があります。

  1. テーマを決める
    例:製造工程、顧客対応、経営判断の歴史など

  2. 社員インタビューを実施
    ベテラン社員・管理職・創業期を知る人材からエピソードを収集

  3. ストーリーとして編集
    写真や資料を交え、分かりやすく可視化

  4. 社内共有・継続更新
    完成後は研修や採用活動で活用し、毎年アップデート

また、暗黙知も年々内容が変わっている場合も少なくありません。
作成後は毎年アップデートをかけるようにしてください。

弊社が提供する1年社史であれば、毎年インタビューを行うため、常に社史の情報がアップデートされます。
この機会にぜひご活用ください。

暗黙知は「未来の資産」

暗黙知は、会社にとって最大の財産です。
しかし、記録しなければ退職や世代交代とともに消えてしまいます

社史は、そうした知識を体系化し、未来へ残すための最良の手段です。
3代目経営者や後継者にとって、社史は「歴史を記録するもの」であると同時に、
会社のDNAを守り、進化させる経営戦略ツールでもあります。

今この瞬間も、誰かの頭の中にだけ存在する暗黙知が失われつつあります。
その知識を未来へ残す一歩を、社史づくりから始めてみませんか。

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