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オウンドメディアの衰退・オワコン化|失敗の原因を解説

公開日 2024年09月02日

更新日 2024年09月02日

失敗

X(旧 Twitter)を見ていると、「メディアが閉鎖になった」「オウンドメディア終了で仕事がなくなった」という声が多く見られた時期がありました。自分自身の実力不足を嘆くWebライターもいましたが、そもそもオウンドメディアそのものの閉鎖とはあまり関係ないように、私自身は思います。

なぜそう思えるのか、企業におけるオウンドメディア運営の難しさと合わせて意見を述べていきます。なお、本記事で綴っている内容は、すべて個人の主張です。これが正解というわけではなく、あくまでもそういう見方ができると思ってご一読いただけますと幸いです。

オウンドメディアに対する「過度な期待」が招いた現実

考えるビジネスマン

結論からいえば、オウンドメディアがオワコン化した理由は、メディア運営側の過度な期待と甘い算段にあります。

そもそも「オウンドメディアとはなにか」と問われると、その答えは千差万別です。ある顧客は「CV(コンバージョン)につなげるため」といいますし、またある顧客は「ファンを作るため」といいます。あるいは「社内報のような役割を持つもので、それを外部に発信するツール」と答えた方もいました。ここまでの回答を見ていただければわかるかと思いますが、全部オウンドメディアの持つ性質だと思います。要するに、定義が曖昧なのです。

私は、特に「CVにつなげる」目的でのオウンドメディア運用が多かったのではないかと思います。運営者は当然、何の利益にもならないのにメディアを作ったりはしません。企業であれば特に、資金を投下してまで行うことではないでしょう。この部分に対して、私は「過度な期待」をしていたのではないかと思っているわけです。濡れ手で粟的な、そんな印象です。オウンドメディアを持って運営すれば儲かる…というような、ある種短絡的な考え方の下で運営していたメディアが多いと考えています。

その過度な期待は、現実にやってみた時にずいぶんと違う絵になってしまったのではないでしょうか。それがWebライターの大量の首切りにつながっていると、私は思います。

なぜ失敗したのかを考える

パソコンを前に悩む女性

ではなぜ、オウンドメディアは失敗していったのでしょうか。主な原因として以下の3つが考えられます。

  • 広告費と収益のバランスを見誤った
  • 自己開示を甘く見ていた
  • 媒体を正しく使い分けられていなかった

それぞれの理由を見てみましょう。

広告費と収益のバランスを見誤った

ひとつ目にして、おそらく最大の理由が、広告費と収益のバランスを考えていなかったケースです。要するに、投資額に対して回収できる金額の計算が甘かったという意味です。

ここでいう広告人は、オウンドメディアの運営費を指します。あくまで企業の場合ですが、オウンドメディアを開設・運営していくとなると、最低でも年間1,000万円程度の予算は必要になるでしょう。これはSEOライティングだけに関わらず、動画やSNSもほぼ同様だと考えています。なので弊社はSEOのご依頼をいただく際は「札束の殴り合いになりますが、それでもやりますか?」と念を押します。それくらい、中小・零細企業にはしっかりとした予算組みと売上確保の見込みができているかを問うているのです。

よくある勘違いですが、オウンドメディアには記事や動画を投入すればいいというわけではありません。投入前のマーケティングの実施やペルソナ・コンセプト設計にも多額の費用が掛かりますし、投入後の数値計測にも費用も時間もかかります。オウンドメディアであれば、いくらかの広告収入は見込めますが、それでも数十万円程度。とてもではありませんが、投資した費用を広告収入だけで簡単に回収できるわけではないのです。

一時期、オウンドメディアを作るのが流行になったこともありましたが、そのときにロクに市場調査もせずに立ち上げたメディアが閉鎖しているのが現在ではないでしょうか。企業には「とりあえず何年かはやってみろ」という風潮もあるため、この辺りは辻褄が合う気がしています。新型コロナウイルス感染症拡大の折に急増したオウンドメディアであれば、ちょうど3年が経過しているはずです。なんにせよ、メディアを作ったはいいが、見積りが甘く赤字続きで投資家や資産家・決済権者からとやかく言われて閉鎖するケースもあると思います。

もちろん、昨今の物価高騰などの煽りに伴うコスト削減の意味もあるでしょう。真相はわかりませんが、私個人的には前者の理由が大きい気がしています。オウンドメディアには金がかかる。それを回収するにはどうしたらいいのかを検討していないと、せっかく作ったメディア閉鎖に至ってしまうのです。

自己開示を甘く見ていた

ふたつ目の理由として、自己開示を甘く見ていたケースがあると思います。ここでいう自己開示とは、企業の内側の情報を開示するという意味です。成功事例にはトヨタ自動車の「トヨタイムズ」や、キリンビールの「KIRIN公式note」があります。ほかにも、今治タオルを製造・販売している「IKEUCHI OGANIC」も成功事例として挙げられるでしょう。いずれも社内報的な意味合いを持ちながら、読者をファン化することに成功して顧客獲得につなげています。

ただ、いずれの場合もただ自己開示をすればいいとは考えていないように思います。詳細は分かりかねますが、正直途方もない時間と労力を投下してブランディングの導線を設計していたことでしょう。ただ単に「会社の内情をガラス張りにするだけでは意味がない」という好事例の賜物です。入り口を考えるのであれば、出口も考えておく。その必要性をこの3社からは感じます。

また、担当者のリテラシーの問題もあるでしょう。古くはWELQ騒動に始まり、現在も景品表示法や薬事法などの問題は数多くあります。SNSに目を向ければ、日夜どこかで大小問わない炎上は起きているわけであり、担当者のリテラシーが一定水準以上でなければ「明日は我が身」になるのは火を見るより明らかです。これはSEO記事や動画でも起こりうることであり、運営側が人員を育成する必要がある証拠でもあります。

厳しい言い方ですが、開示しただけでファンが付くなら、マーケターはいりません。素人でもできます。ですが、そのマーケターがなぜ儲かる仕事として大勢いるのか。それをよく検討していただきたいところです。難しいこと・時間と手間がかかることをしないと成功まで持っていけない事実は、今後オウンドメディアを作ろうと思っており方々にはお伝えしておきたい所存です。

媒体を正しく使い分けられていなかった

最後に、媒体を正しく使い分けられていなかったのも、オウンドメディアの大量閉鎖の原因と考えられます。ターゲティングの失敗とも言い換えることができますが、これを失敗してしまうと、オウンドメディアが狙った成果を生み出してくれません。「有隣堂しか知らない世界」や「BMWのオネーサン」のような、特徴的(?)なやり方をしない限り、媒体はターゲットのいる場所で展開しなければ効果は出ないでしょう。

SNSで例を出しましょう。20~30代の女性をターゲットとする場合、X(旧 Twitter)だけでは不十分です。Xには幅広い年齢層がいるため、ターゲットはいますがピンポイントでターゲットを狙うには課題があるかなと感じます。もしその年齢層を狙うのであれば、InstagramやPinterestが良いかもしれません。もちろん商材にもよりますが、自社が獲得したい人がどこにいるのかを精査する必要があると思います。

詳細な属性は専門家の判断を仰いだほうが良いかもしれませんが、概要だけであれば総務省が公開している「情報通信白書」から拾うことができます。自社内での簡単なターゲティングをする際には、活用できるでしょう。何はともあれ、媒体を正しく使い分けできていなければ、オウンドメディアを立ち上げても描いた効果を得られないかもしれません。

オウンドメディアを閉鎖しても削除してはいけない

注意

オウンドメディアの閉鎖の原因はさまざまかと思いますが、せっかく作ったものは削除するのは非常にもったいないでしょう。今は成果が出ていなくても、Web上に存在している限りは広告効果を発揮してくれます。もしかすると、体制を整えて運用を再開できる可能性が出てくるかもしれません。その時にゼロからまた作り直すのも、費用のムダになります。多少の維持コストはかかったとしても、作り上げてきたオウンドメディアは残しておくことをおすすめします。

しっかりとした事前準備と予算立てが重要

オウンドメディアがオワコン化したと言われているものの、それはさまざまな社会の流れで起こりうる、ある意味必然だったと思います。むしろ今までのオウンドメディアの乱立の方が、よっぽど異常な事態だったのではないでしょうか。コンテンツ制作者(クリエイター)からすれば収入源が途絶えるため、たまったものではありませんが、メディア閉鎖の一端には企業側の経営判断の見誤りがることも知っておきたいところです。もちろん、自分の力不足を嘆くのは悪いことではありませんが…。

オウンドメディアをこれから立ち上げる、もしくは立て直すのであれば、事前準備としてターゲティングやペルソナ設計、担当者のリテラシー教育をする必要があります。また、予算についても「紙媒体より安く済む」という情報を鵜呑みにしないことも重要です。さまざまな視点でオウンドメディアとしての方向性や教育、かけられる予算と収入について検討しておく必要があるでしょう。

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